10年ぶりの"山の神"誕生なるか 3大駅伝で優勝を目指す創価大・吉田響の並々ならぬ思い (2ページ目)
その吉田のやり方に、今シーズンは大きな変化が生じた。関東インカレ10000mで7位に入賞したあと、函館ハーフとホクレン・ディスタンスで5000mを走ることを決め、距離走はもちろん1キロ、2キロのインターバル走などを行なって、レースに備えた。
「函館ハーフは函館に行きたかったのと、自分はハーフのタイムを持っていなかったので、一度ここでいいタイムを出し、チームに勢いをつけたかったんです。あと、自分は練習に絶対的な自信を持っていたんですけど、結果を出さないと不安な面も出てくるので函館で結果を出したかった。
61分で優勝できたのはうれしかったですし、100点のレースができましたが、タイムは(2023年の)丸亀ハーフで篠原選手(倖太朗・駒澤大4年)が60分台を出しているので、まだまだ上とは差があるなというのを痛感したレースになりました」
吉田の函館ハーフの結果について榎木監督は、「スタミナ強化の一環として62分台でいければ、と本人とも話をしていたのですが、大会記録を狙いにいって優勝したので、彼の気持ちの強さが出て、よかったと思います」と高く評価した。
函館ハーフから、およそ2週間で5000mのレースに臨むのはタフな連戦になる。「連戦に弱い」と吉田自身が語っていたが、あえて挑戦したのには意味があった。
「自分は、3大駅伝のエース区間で走り、区間賞を獲って優勝したいんです。そうなると1キロ2分45秒で押していかないといけない。そのために一度、5000mで速いタイムを出して、ロードに移行した際に出雲では5キロを13分40秒で押せる、全日本は10キロを27分台のペースで押せる感覚を掴んでおきたい。夏合宿の時にしっかり取り組んでいきたいと思います」
このホクレン・ディスタンスで、トラックシーズンは終わりを迎える。新年度となり、[進田2]関東インカレからここまでの流れは自己評価としては、何点なのだろうか。
「75点ですね。自分にできることを最大限やってきたので、その過程については100点とか120点出したいくらいなんです。でも、平林選手(清澄・國學院大4年)、青山学院大の黒田選手(朝日・3年)、太田選手(蒼生・4年)、それに篠原選手とか、そういう選手と戦うってなると、まだまだ実力が足りないのが現実なので。ただ、25点足りないのは、伸びしろがあるということだと思っています」
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