駒澤大ルーキーが自己ベスト連発 箱根駅伝へ向けて桑田駿介がチームの風評を吹き飛ばす (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi

【連続自己ベスト更新&関東インカレでも活躍】

 駒大に入学すると、さっそく桑田の快進撃が始まる。

「高校の時もそうでしたが、新しい場所に来ると燃えるというか、"戦っていきたい"という気持ちが出てきます」

 愛知県出身の桑田は、高校から親元を離れて岡山の倉敷高に進学し、1年目から活躍を見せている。環境の変化に戸惑う選手も多いが、桑田は環境に適応する能力も高いのだろう。

「藤田さん(敦史、監督)と大八木さんと、おふたりから違う観点で見てもらえて、アドバイスをもらえる。そこがすごくありがたいです」

 こう話すように、駒大の環境も桑田に合っていた。

 4月13日の日体大長距離競技会の5000mで大学初レースに挑むと、転倒に巻き込まれそうになるアクシデントがありながらも、14分01秒11とわずかに自己ベストを更新した。そして、その2週間後の同競技会ではついに13分台(13分55秒74)に突入した。

 前半戦のビッグレースのひとつである5月の関東インカレ(2部)では1年目から対校選手に選ばれ、5000mに出場した。

「正直、1年目から駒澤大学というチームで関東インカレを走れるとは思っていなかったので、まずは走れたことがうれしかったですね。走るからにはやれるとこまでやろうと考えて走りました」

 今年の関東インカレではチームは苦戦が続いていたが、桑田はチームを救う活躍を見せた。

予選を自己新記録で着実に突破し最終日の決勝に駒を進めると、その舞台では他大学のエース級や留学生と堂々と渡り合って、13分49秒69の自己ベストで5位入賞(日本人3番手)を果たした。

「レース前に先輩たちに『頑張ってこい』とか『頼むぞ』って言われて、改めて頑張ろうと思いました。最初から最後までがむしゃらに走ったっていう感覚が強かったです。思ったよりも(体を)動かすことができたので、自信になりました。自分的にはまだまだタイムを出せると思いました」

 5000mという距離でもきっちりと結果を残した上に、桑田自身、まだまだ伸びしろがあることを実感したレースになった。

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