青学大が箱根連覇へ視界良好!「駅伝で勝つチーム」が個人でも好成績連発で躍動 (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文・写真 text & photo by Wada Satoshi

【箱根優勝の立役者が復帰へ】

「(黒田が)いい記録を出したので、チーム全体にすごい刺激になったと思います」

 こう話すのはハーフマラソンに出場した太田だ。

 太田は今年の箱根駅伝では3区で爆走。日本人歴代最高記録を打ち立てて駒澤大を逆転し、総合優勝の立役者となった。

 だが、その後は左の腰をケガし、予定していた別府大分毎日マラソンを欠場するなど戦線から離れていた。4月の上海ハーフマラソン(8位)で復帰すると、今大会には「(箱根駅伝があった)1月2日を100とするなら、8割くらい」まで状態を戻してレースに臨んだ。

 まだまだ復帰の途上ながら、レースの主導権を握っていたのが太田だった。ラスト5kmでペースアップを図ると、8人いた先頭集団は太田、カマウ・パトリック(上武大3年)、高山豪起(國學院大3年)の3人に絞られた。さらに、残り2kmで再び仕掛けて、高山を振りきった。

 結局、パトリックとの一騎打ちには敗れて、「優勝を狙っていたので悔しい」と太田は口にしたが、順調に力を取り戻しつつあることを示した。また、「課題を見つけたいと思っていたので、ラストスパートの部分で課題が残ったことは収穫になりました」と言い、敗戦をさらなるレベルアップの糧にするつもりだ。

「まずは(状態を)戻して、自分が最高のパフォーマンスできる状態で練習をしっかり積んでいけば、もうひとつレベルを上げられると思います」

 今年の箱根駅伝よりも大きな衝撃を、今秋以降は見せてくれるかもしれない。不敵な発言にはそんな予感があった。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る