箱根駅伝のシード校の戦力分析 駒澤大に迫り上位をうかがう戦力充実校や「台風の目」も (4ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

【法政大学】

安定感があって意外性のあるチームは「5位以内」が目標

 前々回は10位、前回は7位。今回は20年ぶりとなる「総合5位」を目標に掲げている。全日本は6月の選考会で落選して、出雲は9位と今季は目立った活躍を見せていないが、調子を上げてきた印象だ。

 11月12日の世田谷ハーフで稲毛崇斗(4年)が1時間02分54秒の4位と好走すると、翌週の上尾ハーフでは松永伶(4年)が1時間01分56秒で大学生男子の部で3位、宮岡幸大(3年)が1時間02分07秒で同6位に食い込んでいる。2区候補の松永は1万mの自己ベストを28分28秒15まで短縮。"山"には前回5区を10位で走った細迫海気(4年)、6区には前々回2位、前回5位と快走した武田和馬(3年)という経験者がいる。

 さらに、前回8区で区間賞に輝いた宗像直輝(4年)もエントリーされた。近年、復路(前回は復路3位)では安定感のある走りを見せているだけに、4区終了時で好位置につけることがきればトップ5に近づけるだろう。

【創価大学】

出雲駅伝で準優勝。箱根ではトップ3だけでなく往路Vも虎視眈々

 前回メンバーが6人卒業するも、戦力は充実している。3月の日本学生ハーフは小暮栄輝(3年)が5位、野沢悠真(2年)が7位とダブル入賞。関東インカレの2部ハーフは吉田凌(3年)が3位に入った。9月の日本インカレでは1万mで小暮が日本人2位、5000mで織橋巧(1年)が7位に食い込んでいる。

 出雲は4区・山森龍暁(4年)と5区・吉田響(3年)が連続区間賞を獲得して準優勝。全日本は4区終了時で13位と低迷したが、5区・吉田響が区間賞・区間新の快走で急上昇。最後はアンカー吉田凌が、東京国際大と大東大をかわして6位でゴールした。

 全日本を外れた桑田大輔(4年)が、11月下旬に1万mで28分11秒08の自己新をマークし、1区候補に名乗りを挙げた。2区はスティーブン・ムチーニ(1年)が有力で、5区には吉田響を起用予定。東海大から転入して"山の神"を目指している吉田響が爆走すれば、目標の「3位以内」だけでなく、往路Vのチャンスもありそうだ。

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