【F1】角田裕毅がようやくスタート地点に立った フェルスタッペンという「怪物」とのタイム比較がついに始まる
F1第13戦ベルギーGPレビュー(後編)
ベルギーGPで角田裕毅(レッドブル)のマシンに投入されるはずの新型フロアは、金曜の朝に間に合わなかった。
前戦イギリスGPでマックス・フェルスタッペン車に搭載されたものと、それが壊れた場合に備えたスペアに加え、角田車にも搭載するには合計3枚のフロアが必要だ。だが、その3枚目の完成が遅れてしまったのだ。
角田裕毅のマシンに新型フロアがようやく搭載された photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る そのため、金曜フリー走行とスプリント予選、そして土曜午前のスプリントレースは旧型のフロアで走ることを余儀なくされた角田は、アンダーステアでスライドしやすいマシンに苦しむことになった。
しかし金曜の夜、ようやく3枚目の新型フロアがスパ・フランコルシャンに到着。チームはスプリントレースから予選までの実質3時間しかないインターバルの間に、これを角田車に投入することを決断した。
ベルギーGPからチーム代表として現場指揮を執るローラン・メキース代表は、一部で言われたようなフェルスタッペン用のスペアを角田車に搭載したわけではなく、時間との戦いというリスクテイクだったと説明する。
「パーツをマシンに組み込むための作業時間が非常にタイトだったため(予選に間に合わないという)リスクが伴ったが、チームクルーがすばらしい仕事を成し遂げてくれた。ぶっつけ本番で予選に臨むというのはドライバーにとっても決して望ましい状況ではないが、チームとしてそのリスクを負ってトライする価値があると判断したんだ」
初めて走る仕様のマシンでいきなり予選に臨むのはあまり乗り気ではなかったと、角田自身も明かす。だが、新型フロアの効果はてきめんで、金曜に苦しんでいた中速コーナーでの不安定さは消え、角田らしいシャープなステアリングさばきにもマシンが破綻することなく、ついていくようになっていた。
Q2では5番手タイムを記録して第6戦マイアミGP以来となるQ3に進出し、Q3最後のアタックはまとめきれなかったものの7位。フェルスタッペンとは0.381秒差。あと0.083秒ゲインできていれば5位もあり得た手応え十分の予選に、角田の表情にもようやく笑顔が戻った。
「旧型は一度スライドし始めると、どんどんスライドしてしまって取り戻せないなど、もう少しセンシティブなところがありました。だけど、新型は全体的にグリップが高くて、もっとアグレッシブに扱える印象です。似たような挙動はあるんですけど、同じスナップでも全然違いました」
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著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
















