箱根駅伝のシード校の戦力分析 駒澤大に迫り上位をうかがう戦力充実校や「台風の目」も (5ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

【城西大学】

出雲3位、全日本5位、箱根でも過去最高順位(6位)を狙う

 前回大会は3年生以下で臨んで9位に食い込み、5年ぶりにシード権を獲得した。前回5区で区間新記録を樹立した山本唯翔(4年)は、7月のワールドユニバーシティゲームズ1万mで銅メダルを獲得。チームに勢いがつき、出雲で3位、全日本で5位と過去最高順位を更新した。

 ヴィクター・キムタイ(2年)は出雲3区と全日本3区で連続区間賞。斎藤将也(2年)は全日本4区で区間賞を獲得し、1万mで27分台に突入した。エースの山本は出雲と全日本でアンカーを務めて、区間3位と同5位。この"3本柱"が強力で、箱根ではさらに持ち味が生かせそうだ。

 前回は斎藤が2区で区間15位、キムタイが3区で区間11位と伸び悩んだが、前回以上の走りが期待できる。特にキムタイは区間賞候補になるだろう。そして"山の妖精"と呼ばれる山本がどこまで区間記録を短縮するのか。前回は野村颯斗(4年)が11位だった1区で好スタートを切れれば、往路で"台風の目"になりそうだ。

【東洋大学】

全日本過去ワースト14位からの巻き返しなるか!?

 昨年度はエース松山和希(4年)の不在もあり、出雲は9位、全日本は8位。箱根は18年連続シードを確保したものの、ギリギリの10位だった。今季は出雲で8位に入ったものの、全日本は松山、佐藤真優、九嶋恵舜(ともに4年)、石田洸介(3年)を起用できずに大苦戦。一度も10位以内に入ることなく、過去ワーストの14位に沈んだ。

 それでも、主力が戻りつつある。前回2区を務めた石田は外れたものの、松山、佐藤、九嶋はエントリーされた。特に松山は、練習の一環で出場した小江戸川越ハーフで好走。3度目の"花の2区"に向けて調子を上げている印象だ。

 酒井俊幸監督は前半区間での劣勢を覚悟しているが、エースが完全復活すれば十分に勝負できる。出雲と全日本の両駅伝に出走した熊崎貴哉(4年)、梅崎蓮(3年)、小林亮太(3年)、緒方澪那斗(2年)が引っ張ってきたチームにキャリアのある4年生が加わり、どこまで巻き返せるか。

(予選会校 前編:シード権を狙う上位の古豪や新興勢力たち>>)

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