箱根駅伝・復路での「歴代最強ランナー」を識者5人が選出 無名の存在だった選手の激走、ゴールで主将が見せた美しいガッツポーズ (2ページ目)
【8区】三者三様の背景
古田哲弘(山梨学院大/1997年):折山、酒井、和田
小松陽平(東海大/2019年):佐藤
高橋宗司(青山学院大/2013、15年):生島
5000m13分55秒54の高校記録(当時)を引っ提げて、古田哲弘は山梨学大に入学。関東インカレの1部1万mでいきなり優勝した怪物です。そのスーパールーキーが、復路が追い風となる中、強烈な走りを披露。従来の記録を1分43秒も塗り替える1時間04分05秒の区間記録を叩き出すと、22年間も破られることがありませんでした。(酒井)
「ヒーローになる瞬間だ」と小松陽平は思っていたという。小松は4秒差の2位で襷を受けると東洋大の背中を追い、並走する。すぐには追い抜かず、獲物を狙う獣のように冷静に相手の呼吸や状態を読み、15km地点でスパートした。楽しかったという8区は22年ぶりの区間新、東海大を初の総合優勝に導く完璧な走りだった。(佐藤)
2013年、8区の区間賞は青学大の2年生、高橋宗司。実はこの記録、本来であれば2位だった。中大の永井秀篤がタイムはトップだったが、中大が途中棄権していたため参考記録に。そこで高橋が区間賞となったが、彼は永井に連絡を取っていた。「ごめん」。そこから彼らの交流が始まったというエピソードも心に残る。(生島)
復路の格を上げた8区区間新の山梨学大・古田哲弘 photo by Kyodoこの記事に関連する写真を見る
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