東大医学部卒・元インカレ女王の内山咲良が目指す女性アスリート支援「月経、栄養、メンタルケアで幸せな競技生活を手助けしたい」 (3ページ目)

  • 一ノ瀬 伸●取材・文 text by Ichinose Shin

【月経との付き合い方を考え続けた選手時代】

ーー月経による体の変動とは、具体的にどのようなものでしょうか?

 たとえば、月経の直前はすごく調子が悪くなります。体も、これくらい食べてこれくらい動いた場合にはこれくらい体重が減るだろう、と思っていても全然減らないとかなんとなくむくんでいる感じになったり。精神的にも落ち込みやすかったり、多少不安定になったりします。

 そういう状態が試合前に来てしまうと、調整もやりづらいです。逆に、月経が終わって1週間くらいの時は一番調子がよくて体もよく反応してくれるし、水もため込まない。

 そういうことは高校生の頃から経験的にはわかっていたけど、試合のために調整しようというところまではあまり思い至らなかったんです。なんだろうなと思いつつも、なんとなく付き合っていたという感じで。

 ピルを飲むという選択肢をよく知らなかったのもあるし、月経関連の症状が比較的軽く済んでいたというのもあったと思います。

 社会人になるタイミングで、低用量ピルを使って月経をコントロールし始めました。ホルモンの状態が安定するので、体調やメンタルの変動は少なくなりました。

 でも、一長一短だなと感じました。月経後に体調が上振れするというのもそれはそれで気持ちいい。ピルを飲んでいると下振れもないけど上振れもない状態になるんです。どっちがいいんだろうと考えながらやっていました。

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