東大医学部卒・元インカレ女王の内山咲良が目指す女性アスリート支援「月経、栄養、メンタルケアで幸せな競技生活を手助けしたい」 (2ページ目)

  • 一ノ瀬 伸●取材・文 text by Ichinose Shin

【女性アスリート支援をライフワークに】

ーー実際に病院で働いてみて、印象的な出来事は?

 患者さんの体にも心にも寄り添える医者になりたいという気持ちがありますが、認知症だったり意思の疎通を図るのが難しい方もいらっしゃって。そういう方にどういうふうに寄り添えるのかと悩むことがあります。

 また医者の立場である以上、患者さんに医学的な評価をしないといけないですが、体には異常がなくても気持ちがしんどかったり、痛みがあったりするケースもあって、あまり助けになれていないなと感じることがあります。

 もちろん体の病気の部分についても正確にアセスメント(評価・分析)をして、適切な治療をして、という部分も大事で。そういう部分についても私の知識や技術が圧倒的に足りないので、もっと勉強しないといけないなと思います。

医者としての今後の展望を話す内山さん 写真/スポルティーバ医者としての今後の展望を話す内山さん 写真/スポルティーバこの記事に関連する写真を見るーー以前のインタビューでは、産婦人科医を目指したいと話していました。

 はい。志望科を産婦人科に決めまして、来年から大学の医局(東京大学医学部附属病院)に入ることにしました。今の病院でも産婦人科を回りましたが、診断から治療まですべて同じ科で完結できるところに魅力を感じます。お産をとれるというのも産婦人科だけですし。

 それと、勉強の内容でいうと、ホルモン系は面白いと感じています。陸上をやっていると、月経周期に合わせて自分の体にすごく変動を感じる経験がありますが、そういう不思議が産婦人科の勉強をするとしっくりくるんです。

 なので自分の経験も活かしながら、ライフワークとして女性アスリートのサポートをしていきたいと思っています。

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