順天堂大は箱根駅伝の往路に「経験者は残っている」と自信。長門監督と主要メンバーが戦略&意気込みを語る (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO

 昨年1区を走った平が全日本で12位だったとはいえ、青学大や駒澤大とは僅差だったことをどう判断するか。距離も長くなるだけに、安全性を重視すれば三浦を1区にして駒澤大や青学大の前で中継させ、野村優作(4年)を4区で起用して耐えさせるような展開を考えるか。野村は21年の箱根2区で、1時間08分05秒で区間10位だったが、ハーフマラソン1時間01分51の力を持っているだけに、前で走り出してうまく流れれば1時間7分前後は可能。駒澤大と青学大が1時間6分近辺で走ったとしても傷口は浅く済み、そこからの追撃も期待できる。

 復路には前回7区を走った主将の西澤侑真(4年)もいて、三浦が1区なら平も回せる。さらに11月20日の上尾ハーフでは、出雲の4区区間5位の油谷航亮(2年)が1時間03分14秒、全日本5区区間9位の海老澤憲伸(2年)は1時間02分43秒、浅井皓貴(2年)も1時間02分13秒と、ともに自己新を出していて層の厚い戦力になっている。

「2000年頃の順大は3位以内を目指すなかで優勝したことが多く、守りを固めていく戦い方でした。でも今はスピード化もしていて攻めていかなければいけない。勝つためにはそのなかでマイナスをなくすということに行き着きますが、高速レースに対応するためにも攻めの練習をさせていきたい」

 こう話す長門監督が、往路で先手を取るためにどんな攻めの布陣を取ってくるかが、今回の順天堂大の見どころだ。

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