創価大「箱根駅伝は優勝を狙えるチャンス」。4年生を中心に戦力が底上げ、「選手の起用に幅が出てきた」 (3ページ目)
【1年生、2年生も走れるようになってきた】
2年生は、前回8区を走った吉田凌が、1万mの記録を28分41秒28まで伸ばして全日本では3区を担当。ハーフマラソンも、1月の大阪で1時間03分07秒を出して以来、5月までに3レースを走り、10月にも東京レガシーハーフを走って長い距離への自信をつけた。
さらに榎木監督が「前回一番使いたかった選手」と話す小暮栄輝も、初ハーフだった1月の大阪で1時間02分42秒を出して自信を持ち、「自分はロードが得意。どんなレースでも失敗しないのが強み」と、吉田とともに往路の出走を狙っている。さらに1年生では、全日本で4区を走った石丸惇那も、11月下旬には1万mで28分46秒37の自己新を出している。
「うちの柱としている葛西とムルワ、嶋津の3人を往路で使えば往路優勝は狙えるかもしれないですが、総合優勝は無理だと思います。あくまでもチーム目標は総合優勝なので、そのためには区間配置を考えていかなければいけない」
榎木監督はこう話すが、ポイントは1区だろう。これまでの3年間は流れに乗るのを必須条件として、日本人エースを1区に起用してきた。今回もそれを踏襲するなら前回と同じく葛西となるが、横山が全日本の1区で結果を出したことで可能性が広がった。横山は11月の世田谷ハーフでも、風が強い悪条件のなかで5位と、その力を証明している。
横山が1区になれば、山森か桑田、小暮を3区に起用して葛西を4区にし、嶋津を復路の主要区間に起用して勝負をかけることもできる。さらに山の5区と6区も、当初と違う配置を考えられるようになったと榎木監督は言う。
「当初は新家が(5区で)区間5位くらいでまとめてくれれば大けがはしないし、濱野も6区で区間10番以内にまとめてくれるから、無難路線ならその配置だと考えていました。ただ新家は下りも走れるので、6区に使えれば区間賞候補になるくらいの走力がある。彼の代わりに走った5区の選手が想定より2分以上遅れると厳しくなるが、激坂最速王決定戦で1年生の野沢悠真が去年の三上と同じくらいのタイムで4位になっているので、野沢が前回の三上と同等に走れるなら、新家を6区に使える。濱野も以前はついていく走りしかできなかったけれど、今年は自分でペースを動かして(1万mで)28分46秒を出していたので、平地区間でもある程度計算できるまでになっていて、起用に幅が出てきました」
好条件になればスピードのある駒澤大や青学大が突っ走ってしまう可能性もある。だが準優勝した21年のような向かい風が吹く悪条件になれば、自分たちの実力を出せると目論む創価大。当日の区間配置が、目標の総合優勝へ向けた大きなカギになる。
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