2022.05.27

東洋大、箱根駅伝に向け視界良好。
「ここ数年で一番いい」と関東インカレで躍進

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by アフロ

今年の箱根駅伝では9区を走った東洋大・前田義弘主将今年の箱根駅伝では9区を走った東洋大・前田義弘主将 この記事に関連する写真を見る

 今年の関東インカレ(5月19~22日/国立競技場)で選手の活躍が目立ったのが、東洋大だ。

 昨年、1部男子長距離種目は、31年ぶりに入賞者ゼロ、得点ゼロという屈辱的な結果に終わった。だが、今年は33点を獲得し、2位の早稲田大に9点差をつけてトップ。男子総合優勝には届かなかったが、トラック優勝に貢献するなど、「東洋復活」の印象を与えた。

「今回の関東インカレの結果で言えば、初日の1万mで児玉(悠輔・4年)、松山(和希・3年)、佐藤(真優・3年)の3人が入賞してくれたのが大きかった。そこで勢いがつきました。引っ張ってくれた児玉にはすごく感謝したいです」

 前田義弘主将(4年)は、笑みを浮かべて、そう語った。

 大会初日となる1万mで児玉が3位、松山が6位、佐藤が7位と3人が入賞し、チームに流れを作った。総合優勝は、大会4日間のトラックとフィールド競技のポイント数で決まるのだが、駅伝にも似て、最初にいい流れができると、それに乗ってその後の競技でも好結果が出る傾向にある。3人は、まさにその流れを作ったと言える。

 その後、1500mでは及川瑠音(4年)が4位に入賞、ハーフマラソンでは、2位に梅崎蓮(2年)、5位に木本大地(4年)、8位に前田(4年)の3名が入賞し、ポイントを稼いだ。5000m予選では、九嶋恵舜(3年)、緒方澪那斗(1年)、西村真周(1年)の3人が揃って決勝進出を決め、その決勝では、九嶋が4位に入り、3000m障害以外の長距離種目すべてで得点を稼いだ。

「昨年は、長距離ポイントがゼロだったので、みんな、今回は絶対に結果を出さないといけないという気持ちがすごく強かった。チームが関カレ、全日本(大学駅伝)の予選会という大きなレースに標準を合わせてやってきて、ひとつ結果が出たのはチームにとっても自分にとっても自信になりました」

 5000m4位で、東洋大のトラック優勝を決めてガッツポーズを見せた九嶋は、そう語る。

1年生ふたりが決勝進出

 個人的に目についたのは、ルーキーだ。東洋大の1年生が関東インカレで走るのは、2017年の西山和弥(現トヨタ)以来になる。5000m決勝で緒方は15位、西村は23位で入賞とはいかなかったがふたりとも予選を突破し、決勝進出したのは大きい。九嶋は、「まだ、これからですが、緒方は予選8位で突破し、西村は決勝では前で勝負して、ともに東洋らしい走りを見せてくれた」とふたりの頑張りを認めていた。昨年の石田洸介(2年)のようなスーパールーキーではないが、ふたりともに気持ちが強く、今後が楽しみな1年生だ。

 緒方は市立船橋高校出身で鉄紺のユニフォームに憧れ、東洋大に入学してきた。

「東洋大での憧れの先輩は服部勇馬(トヨタ)さん、高校の先輩では渡辺康幸(住友電工監督)さんです。高校時代は、渡辺さんが持つ1万m28分35秒8の高校記録を抜きたかったんですけど、1秒届かなかったので悔しかったですね。自分の強みは粘り、ラストスパートにも自信あります」