東洋大、箱根駅伝に向け視界良好。「ここ数年で一番いい」と関東インカレで躍進 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by アフロ

 大学に入学後、調子はあまりよくなかったが、5月4日GGN(ゴールデンゲームズ in のべおか)の5000m(14分08秒97)で大学デビュー戦を飾り、関東インカレに向けて調整してきた。

「GGNは昨年12月以来のレースになり、試合間隔があいてスピードに対応できなかったです。今はレースに出て、感覚を戻している途中です。今回、予選、決勝と三浦(龍司・順大3年)選手と走ることができたのは光栄でした。最初からずっと先頭にいたので、自分の目の前でのすごさを感じることはできなかったですが、スクリーンを見てて、めちゃ余裕でラストはすごかったです」

 学生界のみならず日本陸上界屈指のスピードランナーである三浦に刺激を受けた。これからはまずキレを戻し、トラックで結果を残して駅伝シーズンにつなげたいと言う。

「3大駅伝は全部出場して1年目から区間賞を獲りたいです。箱根は、4区か8区を目指しています。上り基調のコースが得意なので、できれば往路を走りたいですね」

 今年の1年生は、全10名。5000m、13分台のタイムを持つのは緒方(13分54秒45)、西村(13分55秒92)、吉村聡介(13分53秒90)の3人だが、現在、Aチームで活動しているのは、緒方と西村、網本佳悟の3名だ。

「1年生は、人数がちょっと少ないんですが、みんな先輩たちに食らいついて、多少は刺激を与えることができているのかなと思います。西村は一緒に練習をしているので、ライバルですけど、仲間ですし、いずれ自分たちが主役にという自負があります」

 緒方は、まだ高校生のフレッシュさが残るが、非常にポジティブでファイティングポーズを崩さない姿勢が頼もしい。

 西村(自由ケ丘高出身)もまだ初々しいが、5000m決勝では三浦の背後につき、果敢に攻めた。

「予選は守りの走りになってしまったので、決勝では攻めて、行けるところまで挑戦しようと思いました。3キロで急に体が動かなくなってしまいましたが、攻めた結果なので後悔はしていません」

 結果は、23位に終わったが、酒井俊幸監督に「予選はプラスで拾われたんだからチャレンジ精神を持って走ってこい」と言われたことは、走りで示すことができた。

「緒方は予選を見て、強いなと思いましたが、ライバルなので負けたくないですね。ようやく練習や寮での生活にも慣れてきたので、今後は課題のフィジカルを克服して、3大駅伝に絡んでいきたいです。箱根は6区が希望です。下りが得意で、今年は自分がという気持ちでいます」

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