2022.06.06

女子100mニューヒロイン候補の青山華依。東京五輪では「8番の人が出る」と言われ、日本選手権でのリベンジを目指す

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 弓庭保夫●撮影 photo by Yuba Yasuo

陸上女子短距離界のホープ、青山華依(甲南大)。指導している伊東浩司コーチ(100m、200m元日本記録保持者)も「日本記録まで行く可能性はある」とその実力に太鼓判を押す。シーズンインし、全国各地でレースが続くなか、練習拠点である神戸市・甲南大学で話を聞いた。インタビュー前編では、東京五輪前後の自身の走りを振り返ってもらった。

青山華依インタビュー・前編

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今季はここまでハードスケジュール

 昨年の東京五輪では女子4×100mリレーの1走を務め、予選敗退ではあったが日本歴代2位の43秒44という好タイムに貢献した青山華依(甲南大2年)。今季は、3月の日本室内選手権60mで優勝すると(19年のU16と20~21年のU20でも連覇)、4月の日本学生個人選手権100mでは準決勝で11秒47(追い風2.0m)の自己新をマーク。決勝は11秒50(追い風1.0m)で優勝と好調なスタートをきった。

 それでも「去年も3月に自己ベストが出たけど、そこからあまり伸びなくて。春と秋はよくても夏は弱いという経験もあるので、今年もまだ怖いんです」と弱気な言葉も口にする。

「今年の目標はユニバーシティゲームズの代表になり、アジア大会も選ばれたら出て。それに日本選手権で上位に残って世界選手権のリレーのメンバー入りをすることでした。でもユニバとアジア大会が延期になってしまったので、6月の日本選手権で3着以内に入って7月の世界選手権には必ず行きたいと思っています」

 第1段階のユニバーシティゲームズの代表入りは果たしたが(その後、大会は延期)、アジア大会選考会だった4月29日の織田記念に向けては、個人の代表選考基準が高く厳しいこともあり、無理なピーキングをすることなく、スパイクは履かず練習量も落としてレースに臨んだ。それでも予選は向かい風2.3mの条件で11秒91を出してトップ通過。だが決勝はいい飛び出しをしながらも後半が伸びず3位。向かい風0.7mと風が弱まったなかでタイムを落としてしまった。

「予選が向かい風で11秒台だったので決勝は勝てると思っていたから、けっこう落ち込みました。(優勝した)御家瀬緑(みかせ・みどり/住友電工)さんが、意識していなかったのに外側から来たので、50mくらいからはガチガチの走りになって離される一方という感じで。悔しかったですね」

 その後青山は5月1日の東京選手権100mで優勝し、3日の静岡国際200mは自己新の23秒60で3位。さらに8日のゴールデングランプリ200mに出場して24秒12で8位と、1カ月弱で10レースのハードスケジュール。「最後はやっぱり体が持たなかったですね」と苦笑する。

 だが指導する甲南大の伊東浩司コーチによれば「本人も織田(記念)は失敗したと言っているが、学生個人のあとは失敗してもいいような調整をしています。東京選手権も11秒71で記録が悪かったと言っているが、あのレースは60mまではしっかり走れと指示をして、そのとおりに走って後半は力を抜いているので。予定どおりの走りはできていてアベレージが上がっていると思います」と評価する。