東大医学生で三段跳の大学日本一。内山咲良は競技と学業の両立の悩みに「ものすごくいい解決策はない」

  • 宮部保範●取材・文 text by Miyabe Yasunori

ーー動きの自動化は、受験や勉強においても必要なのでしょうか?

内山 勉強においても、ポイントはいろいろあるような気はします。たとえば、ここからここまで絶対に覚えなければいけないものがあったとしたら、もうがむしゃらに覚えるしかなかない。それには自分が覚えられる方法を探して、やり続けるしかない。語呂合わせでもいいですし、書いて覚えるんだったら書いて覚えたらいいと思います。

 一方で、勉強は、理解できてないんだけど進んでしまうことがあると思うんですよね。問題を解いていて、間違えたらやり直すけど、やり直しながら別にその概念を理解しているわけではなくともその答えを見て解き方を覚えちゃう。覚えているから機能するようなことがあると思っています。そういうエラーをできるだけ少なくしていくのも意識する必要があるとは思います。覚えたり、がむしゃらにやったりして進めていく面と、本当に理解しているかを振り返るというセグメントを使い分けていたのかな、と。

 自動化でいうと、概念を理解するフェーズでは近いものがあると感じます。本当にわかっていたら、あんまり苦労せず正解へと引っ張ってくれると思うんです。でも、理解をしていなかったら、途中ですごくこんがらがってしまって、「やっぱりわかんないじゃん」となってしまう。概念を自分のものにしていく過程で自動化をする必要があるのかなとは思いますね。

【メンタルコントロール論】

ーー前編で伺った「ケガを前向きに捉え、競技力を上げるきっかけにできた」との話が印象にのこっています。内山さんは普段の生活でもあまり悩んだり、悲観的に考えたりはしないタイプなのでしょうか?

内山
 基本的に、落ち込んでばっかりなんです。あんまり自分に自信がないので、本当によく落ち込んでしまうといいますか、自分は全然できないといった気持ちになってしまうことが多くて。だからこそ、そうなりすぎないように気をつけるところがあります。自分自身のメンタルって、ある程度スイングしていると思うんですが、このスイングの上のところが大会や試験の時に来るように、なんとなく自分で気をつけていますね。

ーー勉強でも、「きょうは調子がいい」という時があるのでしょうか?

内山 よくありますね。たとえば、受験勉強で過去問を解いていて、ある日は60点満点中50点取れたとか、別の日は30点しか取れなかったというのはありました。私はそのどっちも、ポジティブに捉えることができると思うんです。50点取れたら合格できると思えるし、30点だったら、わかっていないところに気づけたから本番でできたらいいじゃないかっていうふうに。

 とにかく本番までは、自分を完全に信じてあぐらをかくことは絶対にしない。できてないから悲観的になるんじゃなく、できないことがあったとしても、本番でできるようになるチャンスだっていうふうに捉えて、どうにかこうにかメンタルを保っていたような気はしますね。

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