東大医学生で三段跳の大学日本一。内山咲良は競技と学業の両立の悩みに「ものすごくいい解決策はない」

  • 宮部保範●取材・文 text by Miyabe Yasunori

【インカレ優勝の裏側に新しい挑戦】

ーー大きな大会のはざまで、新しい挑戦をするのは勇気がいりますよね。新しいこととは、どんなことを取り入れたのでしょうか?

内山 以前から技術面でやりたいけれど、できなかったことがあったんです。私の場合、助走していって右脚で跳んでホップに入るんですが、そのホップの時に膝下が出るか出ないかという問題を抱えていました。トップ選手は前に出てから着くほうが多い。でも自分はそこで膝下があまり前に出ずにストンと落ちてしまうことが多くて、ホップでの前脚をもう少し前へ振り出すようにと言われることが多かったんです。

 そこにチャレンジしようと思ったんです。インカレまで、2、3カ月くらいしかなかったですが、その一点に絞って取り組みさえすればできていくだろうと考えて、学外の人に話を聞きにいったり、自分なりに技術練習をして挑みました。

ーー短期間の猛練習でイメージした動きを試合で実践できるまでに仕上げられたのですね。しかし、頭で考えすぎると反射的に出る動きの邪魔をするのではないでしょうか? そのあたりの難しさについては、いかがですか?

内山
 それはすごくよくある問題で、同期の部員といっぱい話もしたんです。特に私の同期には体の動きを考えながら取り組んでいる人がいっぱいいたので。ステップアップの仕方としては、まずは考えてできるようにします。自分の動きを撮影した動画を見て、自覚と客観とをすり合わせていって、理想の動作になっているか、まずは考えてできているかを確認します。

 考えてできるようになっていたら、次に自動化するフェーズがくるんですね。考えなくてもイメージした動きになって、初めて試合で出てくる。自動化するのには、やっぱり回数をこなす必要がある。その過程で千本ノックじゃないですけど、それに近いようなことはしてきました。インカレまでギリギリのところを攻めながら、動きに対する同期たちとの話の積み重ねもあって、練習で自動化まではできるようにしておけたと思います。

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