箱根巧者の青学大らしからぬミス。原晋監督は勝負に徹し切れていたか (2ページ目)
1区は高速レースにも対応できるように、キャリア十分の吉田圭太(4年)を起用。結果は前年(トップと18秒差の7位)とほぼ同じで、トップと18秒差の6位で発進する。劣勢が予想された2区は、全日本3区を区間3位と好走した中村唯翔(2年)が務めた。中村は13位まで順位を落としたが、区間タイムは1時間8分29秒(区間14位)とさほど悪くなかった。
3区でトップに立つ東海大(2区終了時で3位)と1分12秒差、総合優勝を飾った駒澤大(同8位)とは33秒差。前回の9区と、全日本の7区で区間賞を獲得している神林が3区を走れば、十分に巻き返すことができただろう。
しかし、3区に入った湯原慶吾(3年)は区間14位。順位をふたつ上げたものの、東海大と駒澤大の3区走者に2分26秒以上も引き離された。神林の戦線離脱は戦力ダウンだけでなく、湯原のメンタル面にも影響を与えたと考えられる。
そして何よりも痛かったのが、5区での大失速だ。原監督は竹石尚人(4年)に対して、「1時間10分半。悪くても1時間11分台で走れる」と読んでいた。竹石は区間記録(1時間10分25秒)に迫る走りを期待されていたわけだが、脚のケイレンで何度も立ち止まり、1時間15分59秒の区間17位に沈んだ。
竹石本人は「なかなか体が動かず、中盤以降に脚がケイレンしてしまいました。結果がすべてなので思うようにはいかなかった」と話している。その脚のケイレンがクローズアップされているが、大平台(7.0㎞地点)の通過タイムが18番目と、竹石は前半から精彩を欠いていた。
青学大には、前回5区で1時間10分40秒の区間2位(区間新)と活躍した飯田を同区間で使う選択肢もあっただけに、竹石の5区起用には首を傾げざるをえない。留年して2年ぶり3回目の山に挑んだ"実質5年生"の竹石は、上りの練習では飯田よりも強かったという。
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