「目標は世界一のマラソンチーム」三菱重工はこだわる独自の選手育成 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 本社は東京になるが、選手の拠点は変わらず長崎である。「みんな長崎で強くなったので、この土壌は失いたくない」と黒木監督は語る。では、指揮官が描く理想のチームとはどういうものなのだろうか。

「いまウチのチームにはマラソンのサブ10(フルマラソンを2時間10分以内で完走すること)が5人います。それを10人いるチームにしていきたい。そんなチームになれば、ニューイヤー駅伝は区間配置に関係なく、マラソンに強い選手だけで優勝できるんじゃないかと思うんです」

 ニューイヤー駅伝は、前々回は2位、前回は17位に終わった。だが今回は、選手の顔ぶれを見ると優勝を狙えるだけのメンバーが揃っている。

「前回はMGCの失敗を引きずってしまいました。気持ちを切り替えて挑んだつもりだったんですが......。今年はコロナ禍で大会もなく大変でしたが、選手は成長しています。今回は優勝を狙っていきます」

 駅伝に強い選手を獲得して勝つのではなく、マラソン選手を育成していくなかで駅伝を優勝する。そんな独特のスタイルを持つチームが勝てば、また新しい動きが出てくるかもしれない。

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