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競歩でまた金メダル。優勝した
山西利和が喜ばなかったのはなぜ? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki

 そんな思いになるのも、20kmの世界記録保持者の鈴木雄介という存在があるからだ。鈴木と山西は今年の春から、日本代表合宿を含めて9月の合宿まで3回ともに一緒に練習している。

 山西は「完全に僕がくっついているだけですが、自分の課題がすごく浮き彫りになってくる。歩型にしてもそうだし、雄介さんは本当にチャレンジングな選手なので、その貪欲さとか気持ちの持ちようとか......。自分は無難なところを攻めがちなので、一緒に練習することがすごく刺激になっている」と話す。

 一方の鈴木は、こう話していた。「僕は自分が培ってきた経験や感覚を、包み隠さず山西に伝えている。それを彼が吸収して強くなったら、次は自分がそれに負けないように伸びていければと思う。それを繰り返していき、お互いに常に世界のトップにいられるようにやっていければ」。

 世界王者として互いをリスペクトしながら、切磋琢磨していく。それは日本男子競歩を、さらに強くしていく大きな原動力になるはずだ。

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