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箱根制覇に貢献。東海大・阪口竜平は
3000m障害で東京五輪を目指す (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

「大学生にとって3大駅伝はすごく重要ですし、目標にしないといけない大会ですけど、アメリカでトレーニングしていると、駅伝は日本だけの大会なんだとあらためてわかりました。そこに専念しすぎて東京五輪に出ることに支障が出るのであれば、駅伝さえも回避しないといけないかなと......。今、自分のなかでは箱根駅伝よりも東京五輪を第一に考えていきたいと思っています」

 阪口のなかには箱根駅伝で優勝を果たし、主力としてひとつやり切った思いがあったのだろう。結果を出してアメリカに行き、両角監督から3000mSC挑戦のお墨付きももらった。自分がやりたい種目に挑戦し、世界で戦うチャンスを得た今、必然的に東京五輪へのモチベーションが上がっている。

 競技者として高みを目指すのはある意味、当然である。3000mSC挑戦は東京五輪に出場するためでもあるが、もうひとつアメリカで見てきた夢を実現したいからでもある。

「海外にはイヴァン・ジャガー選手とか、3000mSCのスター選手がいるんですよ。そういう選手は日本にはいないですし、そういう選手が出てくれば日本でも3000mSCという種目もメジャーになっていくと思うんです。自分はまだそんな実力はないですけど、いずれそうなって『阪口がやっているから僕もやりたい』って言ってもらえるような選手になりたいですし、そうして3000mSCをやる人が増えてレベルが上がっていけばいいかなって思っています」

 その夢は、たしかに箱根駅伝よりも魅力的だ。しかし、箱根駅伝の連覇は黄金世代の活躍なくしてなし得ることは困難だ。とりわけ阪口は欠くことのできない絶対的な選手である。

 日本記録を更新して、世界陸上で爪痕を残し、箱根駅伝でも快走を見せてほしい──阪口は間違いなく二兎を追える選手である。

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