学生駅伝シーズンが到来。ストップ・ザ・青学大へ他大学は黄信号か (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 10000mの吉田に続き、3日目の5000mでも青学大勢が快走。今度は吉田圭太(2年)が日本人トップ(3位/14分08秒75)を奪取し、充実の笑顔を見せた。

「10000mの祐也さんに続かなきゃという思いがありました。今回は想定以上に走れましたが、僕はまだまだ駅伝を安心して任される選手ではありません。まずはメンバーに選ばれて、自分の区間をしっかり走り、チームに貢献したい。駅伝3冠を狙えるチームだと思うので、先輩方の力を借りて、達成したいと思います」

 青学大は9月3日まで2次合宿をこなしており、日本インカレに向けてはほとんど調整していなかったという。スピード練習が不足していたが、「粘る」走りで結果を残した。ふたりの吉田は共に学生駅伝未経験者。日本インカレで日本人トップに輝いた実力がありながら、駅伝では"レギュラー"が確約されているわけではない。

 今年の青学大は、1区5位の鈴木、2区1位の森田、4区9位(学生ハーフ王者)の梶谷瑠哉(4年)、5区5位の竹石尚人(3年)、6区1位の小野田勇次(4年)、7区1位(区間新)の林奎介(4年)、10区2位の橋間貴弥(4年)と、強力な箱根Vメンバーが7人も残っている。

 他にも、昨年は1年生ながら出雲5区(区間3位)を務めた神林勇太(2年)、同駅伝でアンカー(6区6位)を担った橋詰大慧(4年)もいる。そこに吉田コンビを加えると11名。故障や体調不良がなければ、6人で戦う出雲、8人の全日本はもちろん、10人の選手が必要な箱根駅伝も十分に計算が立つ。目標に掲げる「駅伝3冠」に向けて、順調な雰囲気が漂っている。

 では、「打倒・青学大」に燃えているチームはどうなのか。その"急先鋒"といえる東海大は現時点で苦戦を強いられている。

 日本インカレは10000mに鬼塚翔太(3年)、小松陽平(3年)、塩澤稀夕(2年)がエントリーしていたが、故障の影響で3人ともDNS(棄権)。5000mの松尾淳之介(3年)、3000m障害の三上嵩斗(4年)も棄権した。また、エース格の關颯人(3年)と阪口竜平(3年)はエントリーを回避している。

 その中で気を吐いたのが、5000mに出場した西川雄一朗(3年)だ。学生駅伝未経験の選手だが、キサイサとワンブィに最後まで食らいつく。終盤、吉田圭太に逆転を許したものの、アグレッシブな走りで4位(14分12秒90)に入った。

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