東京五輪でメダル独占するかも...。ロンドンで日本の競歩が見せた夢 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao/PHOTO KISHIMOTO

 荒井も、「同じ日本人同士でバチバチするのもどうかと思ったし、ずっと合宿も一緒にやってきたので他人とは思えない(笑)。チームとして協力し合えるところはちゃんと協力して、彼の呼吸が荒くなっていたところでは僕が引っ張るというか、ペースメーカーになって彼のポテンシャルを最大限引き出せればいいと思っていました」

 42kmから48kmまでの2kmごとのラップタイムが8分52秒に落ちていたのは、そんな理由からだ。

 イゴール・グラヴァン(ウクライナ)には48km通過で11秒差まで詰められたが、ラストは再びペースを上げて、ふたりの順位争いに焦点が絞られた。

「小林くんの出方次第だったけど、このまま行って最後は3位ということになっても仕方ないなと思っていました」と荒井は言う。一方、小林は「最後は荒井さんが『もう行くよ』と言ってペースを上げて、さすがにそこでついていけなかったですね」と苦笑する。

 結果はガッツポーズをしながらゴールした荒井が3時間41分17秒で銀メダル、小林は2秒遅れて3時間41分19秒の自己新で銅メダル。さらに丸尾も3時間43分03秒の自己新で5位になり、日本勢は全員入賞という素晴らしい結果となった。

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