2017.08.18

才媛ランナー鈴木亜由子の選択。
東京五輪「マラソンのエース」はあるか

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimiphoto by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 世界陸上ロンドン大会で1万mと5000mに出場した鈴木亜由子(日本郵政)は、世界と戦う難しさを目の当たりにした。1万mでは、優勝したアルマズ・アヤナ(エチオピア)の3600mからの急激なペース変化に対応できず、後半には5000m中盤で、一度離れた入賞ラインを狙う集団に追いつくために足を使ってしまったことも響き、最後のスパート合戦で競り負けて31分27秒30の10位に終わった。入賞を目標に挑んだ5000mでも、予選の中盤で先頭に出る積極性を見せながらも、3000m過ぎからのアフリカ勢の仕掛けについていけず、前回の世界陸上北京大会に続く、決勝進出は果たせなかった。

トラック競技で成長の可能性を感じていると語った鈴木亜由子「1万mは本当にチャンスだったなと思います。3600mから動いた時に入賞集団から遅れずに足を使わないでいけていたら、ラストスパートやその前の仕掛けをもっとできていたと思います」

 前日の男子1万m決勝で、王者モハメド・ファラー(イギリス)の打倒を目指すアフリカ勢が最初の1000mを2分39秒48で入り、最後まで競りかけ続ける凄まじいレース展開を見せた。鈴木には、女子もそういう展開になればいいという思いがあった。

 しかし、いざレースが始まってみると最初の1000mは3分30秒台、次の1000mも3分18秒台とスローペース。その集団の中段でレースを進めていた鈴木は、予想外だった3600mからのペースアップに対応できなかった。先頭から5番手ほどの前方について、アヤナのスパートに対応できた松田瑞生(みずき/ダイハツ)と同じくらいの位置取りができていたらと、悔やまれるレースだった。