才媛ランナー鈴木亜由子の選択。東京五輪「マラソンのエース」はあるか (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimiphoto by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

鈴木亜由子は、今回の世界陸上でも世界の強さを目の当たりにした鈴木亜由子は、今回の世界陸上でも世界の強さを目の当たりにした 今大会は女子の中長距離でアメリカ勢の活躍が目立った。3000m障害で1、2位になり、マラソンでは3位。5000mでも2名が入賞して、1万mは8位と9位、800mと1500mでも銅と銀を獲得している。それを見て鈴木は、「彼女たちは練習から本気で競り合うことをやっているのだと思う」と分析する。

 さらに「もし、これからもトラックで勝負するならば、大学時代にやっていた男子選手との練習や海外の速いペースの試合で揉まれて経験値を上げることは絶対必要になる」と話す。

 2020年の東京五輪を見据えれば、マラソンに転向するという道もある。鈴木にとって、この大会はそれを視野に入れる意味でも、自分の気持ちにけじめをつける場だった。

「そこは本当に迷うんですよね。まだ今シーズンのこれからのこともあるし、東京へ向けてどうしようかというのも迷っている。どこかのタイミングで絶対に、マラソンの適性が自分にあるかどうかを見極めなきゃいけないと思うんですけど、昔の男子マラソンの選手のように、マラソン練習をしながら1万mの記録を伸ばすというのもできたらいいなと思っています」

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