フィジカルをハードに改造中。神野大地の走りは「山の神」時代と違う (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by AFLO



「蹴り上げを意識していて、それは1万m何とかもちました。マラソンのことを考えると、ここでできないと42.195kmできないので、それができたのはレイヤーなどトレーニングの効果が出ているのだと思います」
 
 神野はすっきりしないレース内容の中にも、確かな光明を見つけることができたせいか、「切り替えて頑張っていきます」と、最後は笑顔を見せた。

6月の日本選手権から数日後、この日は都内の施設・スポーツモチベーションでのトレーニングである。前回でレイヤートレーニングの第1クールが終了した。すでに第2クールが始まっており、今回で9回目だ。左右のウォーキングランジをやって、ABCDEというヤマを制覇するのは前回記したものと同じだ。ただ、トレーニング内容が異なっている。

 Aは右手と右足をステップ台の上に乗せ、後ろに伸ばした左足を引き上げる。これを左右50回ずつこなす。きちんと引き上げることができないと回数はカウントされない。

 Bは両手を頭の後ろに置き、片足をステップ台の上の乗せ、片足での膝の屈伸だ。姿勢を正すと腰への負担が大きく、神野も「これ、腰にくるー」と声を漏らすほど。やや前傾姿勢でもOKだが、キツさはさほど変わらない。これを左右50回ずつ。前回は回数が20回でスローペースだったが、今回は通常ペースで回数が増えて、体にかかる負荷はむしろ増している。

 Cは片足をステップ台の上に乗せ、片足をトレーナーの中野ジェームズ修一に補助してもらった体勢で1分間静止する。つらくなり、手がステップ台につくと時間のカウントを停止。他のトレーニングよりも幾分ラクに見えるが、これが「意外とキツい」と中野は言う。

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