フィジカルをハードに改造中。神野大地の走りは「山の神」時代と違う (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by AFLO


「走りがすごくよかったんです。今まで1kmを3分半の設定だと、それより速いタイムでいくことはなかったんですが、この時はすごくいい動きだったので、そのまま流れにまかせて走ったら1時間40分15秒でいけて。トラックでボーンと出すスピードというよりは、継続的に前に進むというかリズムを変えずに進むことができている。レイヤーをやりつつ、40kmでもいい動きでリズムを変えずに走れれば、マラソンもいけると思います」

 ランナーにとって自信となるものは練習量と自分の内にある手応え、そしてタイムである。いずれ自信に変わっていくであろう"手応え"が感じられたということは、今後練習を継続していくうえで、大きなモチベーションになる。

「7月に網走のホクレンロングディスタンスで1万mを走る予定です。そこで28分50秒ぐらいのタイムを出せると、夏合宿につながるのかなと思います」

 28分50秒という設定タイムには神野なりの理由がある。神野が目指すものはマラソンだ。それゆえトラックでのタイムは求めるべきではないと思っているが、1万mを30分のタイムでいいわけではない。1万mを30分でしか走れないとマラソンを1km3分で走ることはできない。ある程度のトラックでのスピード、タイムが必要だが、神野の中でそれは1万mなら28分台があればいいという感覚なのだ。

 果たしてレースは、どうなったのか。

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