2017.06.15

体をいじめ抜いた神野大地に変化が。
「まるでケニア人のような走り」

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

神野プロジェクト Road to 2020(2)

(前回の記事(1)はこちら>)

 神野大地がトレーニングウエアに着替えてトレーニングルームに降りてきた。

「今日は5回目のレイヤー、1クールの最後になります」
 
 中野ジェームズ修一がそう声をかけると、神野は苦笑いを浮かべた。

「今日、電車でレイヤーのことを一旦忘れて寝ようとしたんですけど、なんかソワソワして寝られなくて……。レイヤーの時は、ここに来るまでに覚悟が必要なんですよ」
 
 レイヤーとは、神野が中野と取り組んでいる3つのトレーニング種目(他の2つは瞬発系トレーニング、コアループトレーニング)の中のひとつで、筋持久力を高め、マラソンを走る”足を作る”のが目的の種目だ。3つのうちで最もハードなトレーニングで、過去には中野が指導したアスリートが気を失いかけたことがあるほどだという。それだけに神野が口にした「覚悟」が必要なのだ。

トレーニングに励む神野大地。支えるのは中野ジェームズ修一氏
「今日は1クール目なのでレイヤーでABCDEの5種目をスローでやっていきます。これはゆっくりやる方がきついんです。早くやると反動が出てきてしまうけど、スローだと強度が増します。過去4回は順調でしたけど、今回、私がサポートする割合が多かったり、『上げなさい』と言っても足を上げることができないのであれば、もうちょっと基盤を作らないといけない。今日、その見極めをしたいと思います」

 中野は、そう言うとトレーニングを始めた。トレーニングルームにピンと緊張した空気が張りつめる。