体をいじめ抜いた神野大地に変化が。「まるでケニア人のような走り」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 まずは、ウォーキングランジ(※1)から始まった。続いて、ステップ台に右足だけを乗せ、左足を後ろに投げてつま先を中野にサポートしてもらう。ゆっくりと右足を曲げていき、両手をステップ台につけて、右足を伸ばていく。回数は20回ほどで、これがトレーニングAになる。
※1 ハムストリグス(太もも)、腸腰筋、大臀筋(お尻周り)などを鍛える運動。直立姿勢から片足を大きく踏み出して、後ろ脚のひざを地面につけるように腰を落とし、立ち上がりながら、後ろ脚を踏み出す。これを繰り返す。

 トレーニングBは、ステップ台に右足だけで立ち、右手にダンベル。左手は腰の後ろに置き、左足はA同様に後ろに投げて、つま先を中野に支えてもらう。右足1本の状態でダンベルを下から上に持ち上げてくるのだ。こうしたトレーニングがEまである。

ホワイトボードに書かれた「レイヤー」トレーニングの図表。ブロックがどんどん積み重なる。ホワイトボードに書かれた「レイヤー」トレーニングの図表。ブロックがどんどん積み重なる。 最初は、ウォーキングランジを左右両足こなして1セット。

 次は、それにAを加えてやって1セット。続いてウォーキングランジ、AにBを加えて1セット。こうしてウォーキングランジにトレーニングA、BにCを加えていくのでセットの山が右肩上がりで大きくなり、最後はEを加えたセットで終わる。

 ちなみに次のセットに移るまでのインターバルは30秒。あっという間だが、そこで給水し、汗を拭う。

 トレーニングDまであるセットでは、もうBぐらいで足が震え、呻き声が漏れる。汗が滴り落ち、10回ぐらいでダンベルが上がらなくなる。

「背筋を使って上げる!!」

 中野の声が飛ぶ。神野は「あぁー」と苦しそうな声を吐き、震えながら右手を上げていく。ラストのEまであるセット終了まで約1時間10分。

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