箱根の「新旧エース対決」と男子代表争いで、びわ湖マラソンが熱い! (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

 一方で、3人の日本人トップで最もタイムのよくなかった中本は唯一の優勝者だ。川内は優勝者と23秒差、井上はキプサングに4分24秒という大差をつけられている。マラソンは気象コンディション、一緒に走る相手、レース展開でタイムが大きく変わってくるため、記録順で選ぶわけにはいかない。

 東京マラソン後の記者会見では、「タイムだけみると、われわれも困ったなという状況になる」と日本陸連の瀬古利彦・長距離マラソン強化戦略プロジェクトリーダーも頭を悩ませていた。びわ湖に出場する選手たちは当然、他の選考レースの「タイム」を意識しており、それがメリットとなる場合もある。前年度のリオ五輪トライアルは東京が不発に終わったこともあり、びわ湖から2名の代表選手が誕生した。

 では、ロンドンへの「最終決戦」となる今回のびわ湖はどんな戦いになるのか。

 2時間4分52秒の自己ベストを持つエンデショー・ネゲセ(エチオピア)、2時間5分13秒のビンセント・キプルト(ケニア)が招待されているとはいえ、過去3年間の優勝タイムは2時間9分10秒(16年)、同8秒(15年)、同11秒(14年)と2時間9分10秒前後。ネゲセやキプルトが飛び出す可能性もあるが、大集団は2時間8分台のペースで進むとみていいだろう。

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