日本男子マラソンを再び世界へ。GMOアスリーツ花田勝彦監督の野望 (3ページ目)
現在の日本記録は2002年に高岡寿成氏(現カネボウ監督)が樹立した2時間6分16秒。先に挙げたように、2004年アテネ五輪ではメダルにこそ手が届かなかったものの2人の入賞者を出した。この当時、日本の男子マラソンが盛り上がりを見せたのは「マラソン中心の取り組みをする選手が多かったため」だと花田監督は話す。駅伝やトラックを走りながらも、軸足は常にマラソンに置く選手が多かったからこそ、国内のレースが高いレベルで争われ、記録向上や勝負強さにつながっていたという。
「私たちはマラソンに特化したチームではありませんが、それでもマラソンで世界を目指す選手がほとんど。そこでの結果を求め、個人の強化を進めていきます。選手の個性はそれぞれ違いますので、試合もトレーニングもすべて個人単位で考えています」
チーム名である「GMOアスリーツ」には、「世界のNo.1を目指すアスリートが集まる集団」という意味が込められている。将来的に駅伝へ参戦する可能性も花田監督は否定しないが、それでも個人の戦いが優先されることに変わりはない。
この冬、GMOからは5名の選手がマラソンを走る予定だ。先陣を切るのは、上武大出身選手のひとり、山岸宏貴(25歳)。10月30日の大阪マラソンを経て、12月4日の福岡国際マラソンで来年のロンドン世界選手権代表の座を狙う。まずは、その走りに注目だ。
(写真提供:GMOアスリーツ)
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