マラソン、男女ともにリオ五輪でのメダル獲得は危機的状況 (3ページ目)
それでも、勝負という面ではまったく参加できていなかったことは否定できない。武冨豊女子長距離マラソン部長は「日本選手の場合は後ろから行くレースをするのは得意ではない。今日のように先頭に立って集団を(コントロールして)遅いペースにしない上で、24~25kmくらいで仕掛けるなど、集団の人数を少なくしていく必要がある」と言う。それが今の日本チームが狙う、入賞を確保する方法だという認識だ。
それをするためには日本人選手が協力しながらペースを維持し、交互に仕掛けるなどのチームとしての戦略も必要になってくる。
そんなチーム意識の必要性は男子にも言えることだ。宗部長はリオへ向け「現在の戦力では厳しい状況。若手など勢いのある選手が出てきて、その中から暑さに適応できる選手を選べば戦えると思う」と厳しい見通しを口にした。
個人の力で戦うことが難しいようなら、チームで戦うしかない。代表が決まったら補欠も含めてナショナルチームに招集し、クリアすべき課題やレース当日の条件に合わせた最善の作戦などを提示し、チームとしての戦法や目標を各選手とコーチたちが共有する必要があるだろう。
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