マラソン、男女ともにリオ五輪でのメダル獲得は危機的状況
8月特集 リオ五輪まで1年、メダル候補の現在地(12)
8月22日から開催された世界選手権初日には男子、最終日の30日には女子が行なわれたマラソン。来年のリオデジャネイロ五輪へ向けて、明るい話題を提供して欲しかったところだが、ともにメダルへの遠さを実感させられるだけの結果に終わった。
マラソンで唯一入賞を果たし、リオ五輪出場を決めた伊藤舞 初日に行なわれた男子は、暑さとの戦いにもなった。最初の5kmはデチャサ(バーレーン)が先頭に立ち、16分06秒と遅い入りも、先頭が何度か入れ替わった10kmまでは15分45秒までペースアップ。その後の5kmは16分00秒と、多少のアップダウンがある展開で進んだ。
そんな中、日本勢は藤原正和(ホンダ)が集団の前方につけ、前田和浩(九電工)は後方に位置し、余裕を持って走っているように見えた。だが前田は15kmから徐々に遅れだし、19km過ぎには脚が痙攣してしまった。
また、余裕十分に見えた藤原も、16km手前からケニアとエチオピアの選手が集団をつくってペースアップをすると、第2集団に取り残された。その後は19km付近で大集団に戻ったものの、21km手前から再び遅れ始めてジワジワ離されると、25kmには完全に脱落した。
レースは30kmからスパート合戦が始まってペースが上がり、35km過ぎにはツェゲイ(エチオピア)と19歳のゲブレスラシエ(エリトリア)の一騎討ちに。結局ゲブラスラシエが40kmまでを14分53秒で走り、2時間12分28秒で優勝。さらに前半から中盤にかけて飛び出すなど駆け引きしていたデチャサは5位、ペルティーレやメウッチ(ともにイタリア)も、きっちりと4位、8位に入賞し能力の高さを見せつけた。
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