2014.04.30

【陸上】大学生の桐生祥秀、レース棄権は「進化の証明」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

決勝は棄権したが、今後が楽しみな成績を残した桐生祥秀 4月29日に行なわれた織田記念国際陸上。男子100mの決勝には、昨年この大会で10秒01を出した桐生祥秀(東洋大)の姿はなかった。予選レースの途中で右ハムストリングに違和感を覚え様子をみていたが、休んでいるうちに違和感が大きくなったため、「決勝で無理をしてシーズンを棒に振ることになるのが怖い」と、決勝出場を自粛した。

 今年は2月8日からの日本ジュニア室内陸上大阪大会に出場し、3月には7日からポーランドのソポットで開催された世界室内陸上選手権に出場するなど、積極的に動いている桐生。4月になると13日の岩壁杯で4×100mリレーの3走で大学デビューを果たし、20日には出雲陸上100mで追い風0.6mの決勝を10秒26で優勝。「今年はまず10秒1台前半を安定して出せるようにしたい」という目標へ向けて、順調な仕上がりを見せていた。

 そして、その好調さは織田の予選でも証明された。追い風2mの中、スタートで先行されながらも中盤から伸びて、ラスト10mは流しながらも10秒10でゴールした。(公認記録)

 この結果について桐生は、「予選ではスタートで出遅れた途中で太股の裏側に違和感が出て最後は流した感じだったけど、それでもセカンドベストの10秒10だったので……。そこがなければもっと記録を伸ばせると感じました」と語った。