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ゴールボール女子は銅メダルを獲得。年間200日の合宿で得た深い信頼と絆 (2ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 今大会は金メダル奪還を目指し、チームはナショナルトレーニングセンターでの年間200日を超える合宿を敢行してきた。コロナ禍ではあったが、練習環境が整備されたなか、質、量ともに充実した内容で技術や戦術を磨き続けた。

 視覚に障害のある選手たちがアイシェード(目隠し)で視覚を完全に閉ざして行なうゴールボールでは、言葉によるコミュニケーションも大きなカギとなる。長期の合宿は日常生活からともに過ごし、コミュニケーションのベースとなる互いの性格や言葉遣い、クセなどにもふれて理解し、メンバー間や、さらにはコーチやスタッフ陣との信頼や絆を深めることにも役立った。

 銅メダルという結果に、市川喬一総監督は悔しさをにじませつつ、前を向いた。

「メダル獲得をうれしく思う一方で、金メダルを獲得できなかった原因をしっかりと検証し、次のプロセスに進んでいきたい」

 とはいえ、今大会でつかんだ手ごたえもあった。メンバー6人中、初出場の若手2人が躍動した。まず、攻撃陣でチーム最多の25得点を挙げたのはチーム最年少20歳の萩原紀佳だった。

 萩原は日本勢のなかでは身長もあり、ここ数年、攻撃面で急成長している若手で、大会の1年延期によるメンバー再選考の末にこの3月、代表入りを勝ちとった。その期待に見事に応えた格好だ。

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