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作家・阿部暁子が車いすテニス・大谷桃子に聞く「アスリートの心の強さ」 (4ページ目)

  • 荒木美晴●構成・文 text by Araki Miharu

阿部 大谷選手と対談をするという話を担当編集さんからもらった時に、私の動揺の仕方が本当にすごくて。「大谷選手を宝良のモデルにしているんですけど、ぜったい怒られますよね、嫌われますよね」って。

大谷 そんなことありません(笑)。すごくうれしいです。自分なんかでいいのかなって思いますけど、読み進めていくほど親近感が湧きまくっていました。きっと母に本を送ったら、号泣しそうだなって。実家に帰った時に母にも読んでもらいます。「これ私だよね」って(笑)。

阿部 大谷選手のおかげで書けた部分が本当に大きいので、怒られなくてよかったです。試合を生で色々見て、印象に残る場面がたくさんあって、それが原動力になって書けたので、ありがとうございます。大谷選手のこと、本当にひたすら応援しています。これからも、世界を突き進んでいっていただきたいです。いやもう、親戚のおばちゃんみたいな気持ちになっているんですけど(笑)。

■支えてくれた人たちへ、感謝の気持ちは結果で伝えたい

―― 大谷選手、ビッグファンからの応援メッセージが届きましたね。<side宝良>のエンディングで、東京2020パラリンピックの車いすテニスの競技会場・有明テニスの森の場面が出てきます。まさに今、その大舞台に向けて練習されているところだと思いますが、最後に意気込みを聞かせていただけますか?

大谷 はい。私は前回の2016年リオ大会の時は、まだ車いすテニスをちゃんと始めていませんでした。パラリンピックの試合はYou Tubeで観ていましたが、その私が、まさか4年後に東京大会を目指すことになるとは全然思っていなかったです。でも今、日本代表を狙える位置に来て、それは本当にたくさんの方が支えてくださったからこそだと実感しています。その感謝の気持ちを絶対に結果で伝えたいと思うので、メダルを獲得できるように頑張りたいと思います。

阿部 みんなで応援しています!

Profile
阿部暁子(あべ あきこ)
岩手県出身、在住。2008年『いつまでも』でロマン大賞を受賞し、デビュー。著書には、『室町少年草子 獅子と暗躍の皇子』『戦国恋歌 眠れる覇王』『鎌倉香房メモリーズ』シリーズ、『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』がある。

大谷桃子(おおたに ももこ)
1995年8月24日生まれ、栃木県出身。小学3年生からテニスを始め、高校ではインターハイに出場。2016年からは車いすテニスに転向し、2020年には初めてのグランドスラムとなる全米オープンに出場。続く全仏オープンでは女子シングルス決勝に進出した。今年の全豪オープンはベスト4。東京2020パラリンピック出場を目指している。

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