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車いすバスケ香西宏昭、
ブンデス決勝で得た経験を日本代表に伝えたい (4ページ目)

  • 斎藤寿子●取材・文・写真 text&photo by Saito Hisako

 そして、そのEuroを最後に、香西にとってランディルでの1年目が終わる。と同時に、日本代表候補としての本格的な活動がスタートする。

 香西が今シーズン、強豪ランディルに移籍し、さらなる成長を求めたのは、「自分がこのままでは日本は勝てない」と感じていたからだ。エースとしての自覚に突き動かされ、選択した道だった。それだけに、彼がこれからどう日本を牽引していくのかが注目される。

 ランディルでのシーズンを終えようとしている今、香西は、日本代表への思いをこう語っている。

「トランジションバスケを目指す日本のペース(攻守の切り替え)の速さは、いま自分がランディルでやっているバスケよりもずっと速い。それは、先日のヨーロッパ遠征で久々に代表チームに合流して、改めて感じました。ただ、バスケIQをさらに高める必要があると思っています。各国代表が集まるランディルの中にいると、バスケIQの高さと、その遂行力の高さを感じます。

 自分も含めて、日本はまだまだ。今の自分がエースと言われているようでは、まだ日本は世界には勝てないと改めて痛感しました。でも、そのランディルでスタメンとして試合に出させてもらってきた中で得たものが自分にはたくさんある。そういったものを、これから日本代表チームの中で伝えいくことも、自分の役割だと思っています」

 6月にはドイツ、カナダ、オーストラリアと世界の強豪たちを招いて東京で行なわれる「三菱電機WORLD CHALLENGE CUP 2018」があり、8月には今年最大の目標である世界選手権(ドイツ)が待ち受けている。さらに10月には、4年に一度のアジアパラ競技大会(インドネシア)もある。2020年に向けて、重要な大会が目白押しだ。

 さらなる成長を求めて強豪ランディルで新たな一歩を踏み出した香西。よりレベルアップしたエースが日本に帰ってくるのは、もうすぐだ。

◆東京五輪まで2年。ブラインドサッカー日本代表は「強豪国と激戦」

◆井上雄彦×香西宏昭車いすバスケ16年の闘いと2020年を語る

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