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パラアイスホッケー「おやじ軍団」
は大苦戦。残り試合で意地を見せろ (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Photo Service One/Uehara Yoshiharu

 大会全体に目を移すと、以前は個の能力に長けた絶対的なエースがいて試合を引っ張るというチームが多かったが、今はどこも総合力が高まっていると感じる。同じアジアの韓国は前述の通り、スピードのあるチョン・スンファンがチームを牽引するが、敵からの徹底マークはもちろん織り込み済みで、他の選手のフォローが早い。そこは日本も試みてはいるが、精度の違いが結果に表れた格好だ。

 また、パラアイスホッケーは両足や片足があるより、ないほうが有利に働くとされている。足を載せるスレッジの長さが短くなる分、素早い方向転換が可能になり、風の抵抗も受けにくいからだ。

 たとえば優勝候補のアメリカの場合、氷上の5人のプレーヤー全員が両足切断のときもある。その意味では、大腿部から両足切断の選手がほとんどいない日本の場合は不利となるが、それでも平均年齢41歳の男たちは経験値でカバーしてきた。大会は後半に差し掛かり、疲れもピークに達しているだろうが、残された試合では2試合、日本の意地を見せてほしい。

 大会の上位チームは、1次リーグ3連勝と盤石の強さを見せたカナダとアメリカが準決勝に進出している。また、イタリアと韓国もそれぞれ初となる4強を決めた。

 イタリアは組織力で試合を組み立て、1次リーグ初戦で強豪ノルウェーに勝利したことで波に乗った。韓国も地元の大声援を力に、大きなプレッシャーもあっただろうが、それに打ち勝ち、道を切り拓いた強さは本物だ。15日に行なわれる準決勝にも注目してほしい。

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