パラアイスホッケー「おやじ軍団」は大苦戦。残り試合で意地を見せろ (2ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Photo Service One/Uehara Yoshiharu

 1次リーグを振り返ると、カギとなったのはやはり初戦の韓国戦だ。陣形を変えながら相手のエース、チョン・スンファンを警戒。守りに徹した序盤は、そのシステムが機能した。しかし、ほぼ2セット回しの日本は徐々に疲れが蓄積し、カウンターで先制点を許すと焦りからミスを連発。5人対3人のパワープレーという最大のチャンスでもリズムを作り切れず、ノーゴール。たまらず観客からもため息が漏れた。

 一方で、収穫がなかったわけではない。前述のとおり、アメリカ戦を除く2試合では、試合の入り方は悪くなかった。韓国戦では、試合終了間際にゴール裏からつないだパックを上原大祐(NEC)がシュートし、相手ディフェンスに当たって跳ね返ったところをゴール前に詰めていた高橋和廣(西東京市役所)が左手で押し込んで、1点を返した。完全アウェーのなかで、最後に泥臭く執念の1点を入れたことは、次へのモチベーションにつながった。

 また、今大会はスタメンマスクを被る61歳のGK福島忍(ニック)が韓国戦、チェコ戦で高い集中力でファインセーブを連発した。ソフトゴールを許す場面もあったが、波に乗り切れないプレーヤーを最後列から奮い立たせている。

 プレーオフに向けて上原は、「我々はパラリンピックで5位以下をとったことがない。そのラインは絶対に守りたい」と語気を強めた。

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