リオ2冠王者を破り、パラ陸上の佐藤友祈が東京につながる金メダル2個 (4ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • photo by AFLO

 今を遡ること2年。2015年秋、佐藤にとって初の国際大会となったのが、 パラ陸上世界選手権ドーハ大会で、400mで金メダル、1500mで銅メダルを手にし、一躍「リオパラのエース候補」に名乗りを挙げた。

 当時はまだ、本格的な競技を始めて約3年。強化指定選手になったばかりのタイミングでの国際大会制覇で、翌年に迫ったリオパラリンピックに向け、彗星のごとく現れた有望新人が佐藤だった。

 ただ、ドーハ大会には、当時世界一のマーティンは不参加だった。「1年後のリオパラリンピックでマーティンを倒して金メダル」。佐藤は再び、大きな目標を掲げてリオ大会に挑む。しかし、結果は王者マーティンに2種目とも敗れ、銀メダル。パラリンピック初出場での2つの銀獲得を周囲は称えたが、佐藤ひとり「金メダルを目指していたので、悔しい」と、決して満足することはなかった。

「打倒マーティン」を胸に刻み、リオから帰国後すると、すぐに練習復帰。松永監督の指導を仰ぎながら、より厳しくなった練習メニューを一つひとつ確実にこなしてきた。おかげで、今年5月の米国遠征ではマーティンと再戦して見事にリベンジ。アメリカで得た自信が、今大会の快走につながったことは間違いない。

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