リオ2冠王者を破り、パラ陸上の佐藤友祈が東京につながる金メダル2個 (5ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • photo by AFLO

 今、佐藤が見つめるのはただひとつ、3年後の東京パラリンピックでの金メダルだ。

「今日の金メダルは東京につながる一歩」

 数々の有言実行を達成してきた佐藤だからこそ、その言葉には重みがある。そんな佐藤が、ロンドンでの快挙の要因に挙げたのは、「周囲からの応援すべて」。監督の松永、練習パートナーでもある生馬知季らに感謝する。佐藤のポテンシャルに気づき、指導してきた松永は、愛弟子の2冠獲得に、「やりますね」と目を細めた。

 2年前のドーハではマーティン不在での金と銅、昨年のリオパラはマーティンに敗れての2つの銀。今大会はライバルとの直接対決でつかんだ2冠。堂々の世界王者となった気分を聞かれた佐藤は、「世界記録はマーティンが持っているので、完全には世界王者とは思っていない。まだまだこれからです」

 タイトルに記録を備えた、真の王者へ――。有言実行の佐藤なら、きっと鮮やかに達成してみせるに違いない。

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