義足のハイジャンパー・鈴木徹。悲願のメダルに近づく2m超え (3ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • photo by Shingo Ito/AFLO SPORT

 リオでのメダル争いは2m05あたりがポイントとみる鈴木は、ここ最近、このクリアランスと助走の精度を高めることに注力している。

「手探りでなく、ちゃんと見えている課題なので、これができれば(リオの)大会でも記録が出ると思う。2mを1シーズンに3回、36歳という年齢で跳べたのは大きい。(成功の)アベレージが上がっているので、そこは自信を持ちたい。年齢的にも焦る気持ちを抑えられるようになったので、これからは新しいことをするのでなく、練習の継続を大切に、大きなケガなく臨めれば」

 穏やかな口ぶりの中に、積み上げてきた自信が垣間見えた。関東大会後の7月8日、日本パラリンピック委員会が正式発表した、リオ・パラリンピック日本代表の第2次発表名簿に鈴木も無事、名を連ねた。相性のいいリオのピットで、今シーズン2度目の自己記録更新となるか。その瞬間(とき)を静かに待ちたい。

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