2016.07.12

義足のハイジャンパー・鈴木徹。
悲願のメダルに近づく2m超え

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • photo by Shingo Ito/AFLO SPORT

 リオデジャネイロ・パラリンピック開幕まであと2カ月。ここへきて、活躍が期待されるベテランのひとりに、嬉しい笑顔の”復活”があった。5度目のパラリンピックとなるリオで悲願のメダルを目指す、右脚義足のハイジャンパー、鈴木徹(SMBC日興証券)が、「IPC公認第21回関東パラ陸上競技選手権大会(7月2日、3日/東京・町田市)」の男子T 44 クラス(片ひざ下切断など)走高跳で、今シーズン3度目となる2mをクリアしたのだ。

5度目のパラリンピックでは初のメダルを狙う鈴木徹 ここ最近、急速に調子を上げている鈴木。5月にはリオ・パラリンピックのプレ大会、「IPCグランプリ・リオデジャネイロ大会」で、自己新となる2m02を跳び、自身がもつアジア記録と日本記録を塗り替え、1週間後の山梨県選手権でも2m01をマークしている。国内開催の障がい者大会で2mをクリアするのは、このときが初成功した2006年以来となる10年ぶり2回目。待ち受けた報道陣に向かい、「皆さんに喜んでいただけて、ほっとした」と安堵の表情を見せたのが印象的だった。

 鈴木は高校時代、国体3位などハンドボール選手として活躍したが、卒業前に交通事故に遭い、右足を切断。リハビリをきっかけに陸上競技と出会い、走高跳を始める。初の公式戦で、いきなり当時の障がい者日本記録を超える1m74をクリアし、潜在能力の高さを示した。

 2000年には、日本人義足アスリートとして初のパラリンピアンとなり、シドニー大会に出場して6位入賞。続くアテネ大会でも、6位入賞を果たす。06年には日本記録を更新する2m00を跳び、世界で2人目となる義足での”2mジャンパー”となった。しかし、さらなる飛躍が期待された矢先、踏み切り側の左ひざを故障し、数年間、痛みと戦う日々が始まる。それでも、日本選手団の騎手を務めた北京パラリンピックでは5位に入り、痛みからようやく解放された12年ロンドン大会では4位と順位を上げた。