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アイススレッジホッケー世界選手権で惨敗。ゼロからのリスタート (2ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

 大会を振り返ると、カナダとアメリカのホッケーセンスと戦術は突出しているものの、それ以外の国の実力は拮抗している印象だ。それゆえ、日本にもチャンスはあったはずだが、焦りからか一度ボディチェックを受けるととたんにパックが手に着かなくなり、カウンターを食らって失点するというミスを繰り返した。パスとレシーブの精度も低く、それを挽回する体力もなかった。成績はランキング通りといえばそれまでだが、あえて辛口に言えば、8カ国のなかで日本だけがAプールのレベルに達していなかった。

 その原因の根底にあるのが、深刻な問題となっている人材不足だ。国内のアイススレッジホッケー人口はわずか30人前後。代表入りしてもチーム内での競争原理が働かず、結果として競技力が向上しにくい。他国と比べて平均年齢が38歳と高く、圧倒的に選手層が薄いのが悩みの種だ。

 たとえば、体力の消耗が激しいアイススレッジホッケーは、主に3セットが交代しながら氷に乗るが、日本の場合は多くの時間をベストメンバーの1セットでまわしているという状況だ。司令塔としてチームを引っ張る高橋和廣(FW/36歳)やキャプテンの須藤悟(DF/44歳)らベテラン勢が、そのメンバーである。

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