リオパラに光明。若手が活躍した車椅子バスケ日本選手権
「MAXを倒して歴史を塗り替える」
勢いに乗る若手中心のチームに迷いはなかった。しかし、王者は圧倒的な力でその挑戦をはねのけた。
グループリーグで敗退してしまったが、チームを引っ張っていた鳥海連志(佐世保WBC) 5月4日から3日間、東京体育館で車椅子バスケットボールのチーム日本一を決める「内閣総理大臣杯争奪 第43回日本車椅子バスケットボール選手権大会」が開催された。各地域の予選を勝ち抜いた16チームが出場し、クラブチーム日本一の座をかけて熱戦を展開。決勝は、日本代表のエース藤本怜央を擁する宮城MAXが埼玉ライオンズに64対19で大勝し、貫禄の7連覇を成し遂げた。
攻守の切り替えが速いMAXに、序盤からライオンズの持ち味であるスピーディーな攻撃は、完全に封じられた。苦し紛れに放ったシュートのリバウンドを逆に奪われたライオンズは、MAXに速攻を許し、今大会MVPに選ばれた豊島英らに次々と得点される。"どこからでも点が取れる最強軍団"の強さを見せつけられると、そのままディフェンスも崩壊。為す術なく勝負を決められてしまった。
「MAXは想像以上に攻撃力があり、走るチームだった」と、埼玉ライオンズ・キャプテン永田裕幸(30歳)が言えば、「予想を上回る当たりの強さに、面食らってしまった」とはガードの原田翔平(25歳)。平均年齢27歳の若いチームは、初めて味わうファイナル独特の緊張感に飲まれ、立て直すことができなかった。
「来年はもう少し噛みつけるように、自分たちのランニングバスケを追求していきたい」と語った永田。新たな経験を得たチームは、大敗の悔しさを糧にまたこの舞台を目指す。
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