【ミラノ五輪】高梨沙羅「ひとつピリオドを打てた」重圧から解放されて心が軽くなった仲間からの言葉があった (4ページ目)
2本目を飛び終わったあとは、ゲートの近くで待っていた伊藤にハグをされながら「お疲れ様。よく頑張ったね」と言われ、我慢していた涙が溢れ出てきた。
「もちろん有希さんの存在も大きいけど、情けないところではあるけど若手に支えられることが多かったです。競技以外にもすごく彼女、彼らの存在に癒されているというか、支えられて競技ができています。今までは張り詰めてやってきた瞬間が多かったのですが、後輩と話して楽しみながらできました。
スキージャンプは個人競技がメインなのであまりそういうところに触れてこなかったけど、(北京五輪から)団体戦ができて、いろんな選手と触れ合いながらやっているなかで得られたものもすごく大きいと思うし、それが今、身になっている感じがします」
これまでずっと団体戦は苦手だと感じていて、これからも多分苦手のままだろうと高梨は苦笑する。それでも今大会感じた団体戦のすばらしさをこう語った。
「2018年の平昌五輪の個人戦で銅メダルを獲りましたが、それとは比べ物にならないくらいに『やっぱり五輪はいいな』と思えました。個人戦でももちろん、周囲の人たちと喜びをシェアできるけど、この喜びをみんなで分かち合えるのは団体戦ならではだと思います。団体戦のすばらしさを感じられた日になったので、ここからまた新しくスタートが切れると思います」
重い軛(くびき)から解き放たれた高梨はこれから、これまでとは違う新たな気持ちで再び競技に取り組み始める。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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