競輪のトップ9・寺崎浩平が負けたくない相手とは 近畿の先頭が実は「遠回りのようで一番の近道だった」とGⅠ初優勝にも言及
競輪界のトップ9「S級S班」として戦う寺崎浩平 photo by Photoraidこの記事に関連する写真を見る
【近畿ラインでのGⅠ初制覇】
「しっかり近畿の先頭でやってきたことが実を結びました」
2025年8月。函館競輪場で行なわれた「オールスター競輪」でGⅠ初優勝を飾った寺崎浩平(福井・117期)はこう語り、静かに喜びを表した。
個人戦でありながら、同地域などで連携してレースを行なう競輪。寺崎は圧倒的なダッシュ力を武器に、連携を組むラインの先頭を走ることが多い。「自力」と言われるそのスタイルは風を真正面から受けるために消耗が激しいが、それでも寺崎は勝利を積み重ね、自身が勝てない時でも同地区の選手の勝利に貢献し続けた。
その強さと信頼から、このオールスターでは近畿勢の並びのなかで2番手と絶好のポジションを得る。そして最終周回のバックストレッチで先頭に立つと、後続の追撃を許すことなく、GⅠ初戴冠を果たした。デビューから5年半でのことだった。
「ずっと前を引っ張ってきて、遠回りのようでしたが、結局これが一番の近道だったなと感じました。チャンスを自分の力でつかんで勝つという王道の勝ち方ができたと思います」
この優勝により年6回あるGⅠ開催の覇者と賞金獲得額上位者らの計9名のみが参加できる競輪界最高峰のレース「KEIRINグランプリ2025」への出場を果たした。その証である赤いレーサーパンツを履いて、2026年を戦う。
「今年はより一層、負けられないなと感じています」
新たな領域に足を踏み入れ、注目度も増すシーズン。表情も引き締まる。
GⅠ開催「オールスター競輪」のゴール直後。寺崎(左)と脇本雄太(右) photo by Manabu Takahashiこの記事に関連する写真を見る
【史上初での養成所早期卒業】
実家は自転車のプロショップを経営。寺崎は小学校で2年間、サッカーに取り組んだが、中学校では部活動には入らず、ひとりで自転車に乗り続けた。
高校から本格的に自転車競技の道に進み、2011年のインターハイではスクラッチで優勝。法政大学進学後は2015年、16年と全日本選手権トラックのマディソンで連覇を成し遂げるなど、タイトルを多く手にしてきた。
「高校生でインターハイも勝てましたけれど、偶然というか......。今、振り返っても、強い選手という感じはなかったです。大学でも1・2年目はそこそこという感じでしたし、ようやく少しやれるかなと思えるようになったのは大学4年になってからですね」
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