日本選手権競輪 吉田拓矢、眞杉匠が戦略どおりのワンツー ゴール直後に感じた歓喜よりも先によぎった過去の苦い記憶とは (2ページ目)
【頭をよぎった2年前の失格】
優勝候補筆頭は、グランプリ2回、GⅠ優勝8回を誇る古性優作(大阪・100期)で、その絶対王者にみちのく超特急の異名を持つ新山響平(青森・107期)、関東のエース眞杉匠(栃木・113期)、そして吉田拓矢ら実力者たちがどう挑むかに注目が集まっていた。
結果は前述のとおり、ゴール手前で眞杉を交わした吉田拓矢に凱歌があがったが、そこには、勝利のために連係した眞杉―吉田の栃茨ライン(栃木と茨城の選手で作るライン)の戦略があった。
ふたりは2月のGⅠ開催「全日本選抜競輪」の決勝など、これまで幾度となくラインを組んできた間柄。今回の決勝でも事前に作戦を練り、新山、菅田、阿部力也(宮城・100期)の北日本ライン、そして古性らにどう対応するかを決めていた。
レースは「北日本が前を取ると思っていたので中団を取れればいい」との思惑どおりの並びとなり、その北日本ラインの後ろに古性、そして眞杉、吉田がついた。残り2周となったところで、吉田は「眞杉が思ったところでいってくれればいい。あとは離されないようにしよう」と眞杉の後輪だけを見つめた。そして最終周回に入ったバックストレッチで眞杉が加速。その勢いは北日本ラインの菅田にして「とんでもないスピードだった」と驚くほどの爆速だった。
眞杉(3番車・赤)、吉田(9番車・紫)にとって狙いどおりの並びで最終周回を迎える photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
吉田はその眞杉をピタリと追走。第4コーナーに差し掛かろうとするところで先頭の新山をとらえると、最後の直線でついに眞杉が前に躍り出た。「あとは(眞杉を)抜けるかどうかだ」と吉田は必死に踏み込む。古性、菅田も追いすがり、並びかけようとしたところで、菅田が落車。その影響でほんのわずか眞杉、古性のスピードが緩み、そのスキをついて吉田が1着でゴール線を通過した。
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