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伊藤華英、中村美里が語る経血漏れ「白い柔道衣なので気になる」「トイレに何回も行くと怒られるかも」と不安だった過去 (5ページ目)

  • text by Sportiva

10代の頃から注目を集めていた伊藤華英さん photo by AFLO10代の頃から注目を集めていた伊藤華英さん photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る

――水泳は多くの方が体験したことがあると思いますが、柔道には接点がなかった方もいるかと思います。柔道にはどんな魅力がありますか。

中村 試合のことはいったん置いておいて、できなかったことができるようになることですね。自分が小さいころはあまり柔道っぽいことをしていなくて、体の動き方を覚えていくことが多かったです。練習時間の半分くらいは体づくりをやっていて、残りが柔道の練習。体力づくりにもいろんな種類があって、それが結構楽しいんです。最初はできないけど、毎週やっていくうちに、できない動きができるようになったりするのが面白いですね。

――柔道で技が決まったときには気持ちいいという感覚はあるんですか。

中村 それは気持ちいいですね(笑)。相手の力を利用すると、力を入れなくても投げられるので、「やったー、楽しいー」と思いますね。それが決まったときには、練習中でも誰か今の見ていなかったかなと思うことはありました(笑)。

――最後になりますが、あらためて、多くの人たちがより楽しくスポーツに励むためには、どんなことが必要でしょうか。

伊藤 まだスポーツ界は男性社会で、役員も指導者も多くは男性という事実がありますので、物事を変えていくためには男性も知識を持っていくことが大切だと思います。それは、女性の社会進出という課題にも結びつきます。生理の課題を入り口にして、みんなで社会をよくしていこうというモチベーションを持てるといいのかなと思います。他人事ではなくて、自分事として、生理の課題だけではなく、いろんな社会課題に大人が取り組んでいければ、よりいいのかなと思います。

中村 生理の課題については女性だけの問題じゃなくて、みんなで知っていくこと、それを当たり前にしていくことが大事かなと思います。そうすれば、スポーツはもっとやりやすくなると思いますし、特に柔道では、ズボンが汚れちゃっても、「あっ、生理なんだ、取り替えてきな」くらいの当たり前のやりとりができれば、恥ずかしい思いをする人が少なくなりますし、お腹が痛いのに無理やり練習をやらせることもなくなると思います。知ることでスポーツがやりやすくなったり、環境がよくなったりするのかなと思います。

【Profile】
伊藤華英(いとう・はなえ)
1985年1月18日生まれ、埼玉県出身。元競泳選手。2000年、15歳で日本選手権に出場。2006年に200m背泳ぎで日本新、2008年に100m背泳ぎでも日本新を樹立した。同年の北京五輪に出場し、100m背泳ぎで8位入賞。続くロンドン五輪では自由形の選手として出場し、400mと800mのリレーでともに入賞した。2012年10月に現役を引退。その後、早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科に通い、順天堂大学大学院スポーツ健康科学部博士号を取得した。

中村美里(なかむら・みさと)
1989年4月28日生まれ、東京都出身。柔道家。小学3年生時代から柔道を始め、高校1年時に48kg級でシニアの国際大会で優勝する。高校3年時に52kg級に上げてシニア大会で日本一に。2008年の北京五輪に出場し、銅メダルを獲得する。2012年のロンドン五輪にも出場を果たし、2016年のリオ五輪では再び銅メダルを獲得。また、世界選手権では3度金メダルに輝く。現在は国内外で柔道の指導・普及に携わり、全日本柔道連盟女子柔道振興委員会委員長も務める。

■インスタで「スポーツと生理」の教材を配信
伊藤華英さんがリーダーを務める「1252プロジェクト」。これは女子学生アスリートを中心に、10代の若者が抱える「スポーツと生理」にまつわる課題に対し、トップアスリートの経験や医学的知見をもって、情報発信をしているプロジェクト。その一環として、インスタグラムで手軽に学べる「スポーツと生理」の次世代型オンライン教材『1252 Playbook』を配信中。
Instagram:1252project>>

■「1252公認 女子アスリートコンディショニング エキスパート検定」
全ての女子アスリート指導者はもちろん、保護者やアスリート本人にとっても必要な知識を身につけ、学ぶための検定である『1252公認 女子アスリートコンディショニング エキスパート検定』をスタート。詳しくはHPよりご確認ください。
https://1252expert.com/

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