「かわいくてムキムキ」を目指す元グラドル日野未来の武器は43cmのふくらはぎと吸収力 実力&人気でオールスターにも出場 (4ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro

【目指すのは美しくて強い選手】

 苦境から這いあがり、トップ選手として女子オールスター競輪を戦うまでになった。もう日野を元グラビアアイドルという先入観を持って見る者はほとんどおらず、ひとりのレーサーとして勝利を求められる厳しい視線だけが注がれるようになった。そして、日野自身もいかにして勝つかを突き詰める日々を送る。

 そんな今の自分のスタイルを言葉にするとしたら? こう問いかけると、キッパリと言った。

「競輪学校の校長の滝澤正光先生の言葉で"一歩踏み込め、そこは極楽"というものがあります。自分がここだと思った勝負どころではどんなにキツくても、踏み込んでいった先に勝利が見える。それを実践するのが今のスタイルです」

 ダッシュ力の源は、太さが43cmはあるというふくらはぎの筋肉。日野曰く、ガールズケイリン界でもトップの大きさを誇るまでに発達している。今後もフィジカルの強さに磨きをかけると同時に、メンタル面の強化も進めていくつもりだ。鍛え上げられたふくらはぎの太さは、驚異の43cm  photo by Yasuda Kenji鍛え上げられたふくらはぎの太さは、驚異の43cm  photo by Yasuda Kenjiこの記事に関連する写真を見る

「私はグラビアをやっていた時から、競争心があまりないタイプなんです。でもこの世界でもっと勝ち上がっていくためには、ライバルに負けないという強い気持ちを持たないと。それが、これからの課題です」

 今もファンとして公営競技には足しげく通い、なかでもばんえい競馬はお気に入りだ。その競走馬がサラブレッドより大きな体躯で、かつ、つぶらな瞳を持つところに惹かれた。

「かわいくてムキムキというのは、まさに私の目指す姿。美しくて強い女性になり、ガールズケイリンを盛り上げたいというのが私の一番のモチベーションです。観てくれる方に楽しんでもらえるように、もっともっと強くなりたいですね」

 これからもファンとともに。日野は多くの人に愛されるレーサーを目指し続ける。

【Profile】
日野未来(ひの・みらい)
1993年1月26日生まれ、大分県出身。16歳から地元九州でアイドルとして活動し、上京後はグラビアアイドルとして活躍した。競輪関連の仕事をきっかけに選手を目指し、24歳で日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入学。2018年、25歳でデビューを果たす。2022年までの勝率は17.0%だったが、2023年は36.4%、2024年(8月5日現在)は39.1%と上昇。女子オールスター競輪のファン投票では2位となり、ガールズドリームレースへの出場を決めた。

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