「かわいくてムキムキ」を目指す元グラドル日野未来の武器は43cmのふくらはぎと吸収力 実力&人気でオールスターにも出場 (2ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro


着実に実力を上げている日野 photo by Takahashi Manabu着実に実力を上げている日野 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

【行動力と集中力】

 ガールズケイリンは自転車競技経験者だけでなく、ほかのスポーツを経験した選手も転向して活躍しているが、そのなかにあって、日野未来は元グラビアアイドルという異色の経歴を持つ。学生時代までさかのぼっても運動経験はないが、競輪はひと目見た瞬間からその魅力に取りつかれた。

「もともと公営競技が好きで、競馬などいくつもの競技を見ていましたが、競輪だけはずっと見たことがなかったんです。そんな時に仕事で競輪場に呼ばれて見たら、ハマってしまって」

 なかでもガールズケイリンを代表する選手のひとりである奥井迪(東京・106期)の走りは、日野の心に火をつけた。奥井のスタイルは先行。残り周回が少なくなると誰よりも先に仕掛け、そのまま逃げきって勝利を重ねてきた。その姿を見て、感じるものがあった。

「強さ、カッコよさに驚くと同時に、なんでほかの選手は誰も抵抗しないんだろうって思ったんです。今、選手になってみるとそれが簡単ではないことがわかるんですけれど(笑)。でも当時は、奥井さんのように先行する選手になりたい、そして私がレースを盛り上げたいと思い、ガールズケイリンの選手になろうと決めました」

 そこからは行動あるのみ。競輪を開催する施行者に問い合わせ、奈良競輪場へ出向き、男子選手の佐藤成人(奈良・71期)へ弟子入りを志願。その翌日に自転車の乗り方から学び始めた。

 そのうえで、まずは日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)への入学が目標となった。それ自体が決して簡単ではないことに加えて、同校は当時、高校卒業か、同程度の学力を有していることが応募資格のひとつとしており、芸能活動を理由に高校を退学していた日野は、高等学校卒業認定試験をクリアする必要があると考えた。

「自転車の練習も勉強も本当に大変でした。どちらもこんなに頑張ったことはないというくらい頑張って、1回も楽しいと思うことはなかったです。とくに高卒認定を取るためには自分ひとりでは無理だと思って、1カ月だけそのための学校に通って、集中して取り組んだんですよ。私の武器は行動力と集中力なんです」

 日野はそう言って笑う。所属事務所を退社し、2016年秋に日本競輪学校を受験。そして見事に合格し、翌年に入学を果たした。24歳のことである。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る